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闇に香る嘘

2015.10.02(11:54) 1981

いつもの江戸川乱歩賞受賞作です。
日本にいる間に図書館で本を借りてむさぼり読んでいます。
お話は主人公が70歳の盲目の老人です。これを聞くと話の広がりを最初
期待しなかったのですがこの目が見えないということで対話の一つ一つが
謎をよび無限の想像をさせることになり、ナイスなアイディアです。
老人は満州から引き揚げの経験を持っているのですが彼の地で生き別れ
後の中国残留孤児で帰国する兄の出生に偽の兄ではないかと疑問を持ちます。
人工透析に苦しむ腎炎を持つ孫の為、腎臓の提供を兄に頼みますが
検査を受ける事も拒否する兄、検査で肉親でないことが発覚するのを恐れているのかと
老人は妄想します。そこからの調査が秀逸です。
            闇に香る嘘
ただの老人の妄想か題名のある通り、何かの嘘があるのか
先にも述べた通り目が見えないことで対話する言葉だけが頼りとなるのですが
それが真実なのか何か大きなトリックがあるのかいろいろと読み手側に
妄想を掻き立てられます。
そして、その会話の端々に時にはこれはおかしい、今話している相手は
ほんとに目的の人と話しているのか?と読者に気づかせるところが
あるので読み手としてはそのヒントで何があるのか謎を解いてやろうという気にさせられます。
最後は大円満に話は結ばれるのですがただひとつ、徐はどのようにして日本に定住するのか
それとも中国に帰るのかが、なんかぼやかされているな。
それでも今年の読んだ本では圧倒的に上位級で面白い。

バックスクリーン三連発


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