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下山事件 暗殺者たちの夏

2016.04.13(12:02) 2188

昭和の未解決事件として有名な事件だそうです
何かを調べていたときにこの事件を知りましたが私が生まれるはるか以前の
話で実感としてさっぱりわかりませんでした。
昭和史の中では非常に重要な一ページのようなのですが私からしたら国鉄の社長が
殺されたというくらいしか、そして、それがどんな意味なのかは理解ができません。
ずっと、気になっていたのですが書店でこの本が並べられているのを見て
当時の状況とこの事件を知るのにちょうどいい機会と図書館に予約しておりました。
私としてよかったのは小説形式にしてくれていたので非常にスムーズにはいって
行くことがでた事です。
終戦後まもなくの日本の状況が手に取るように描かれていたのも興味深いですし
一時期、戦後復興の影の立役者でGHQとも五分に渡り合ったともてはやされた
白洲次郎が白須一郎として登場します。現代では国士として扱われていますが
この小説中では軍需産業崩壊後、国鉄初め公共事業利権に群がる右翼勢力と
行動を共にしているところが描かれており、イメージと違いなにやら怪しげな
フインキをもっています。
明治維新から戦後混乱期までどのように美談で語られた政治かも所詮はそんなもんで
ズブズブに金の利権に浸かっているという私の理論は正解だった事を証明しています
清廉潔白な愛国者などこの世に存在しないというのが私の持論です。
          下山事件
当時の労働争議、特に共産勢力の力の強さが現代と違うので現代人の私の感覚とは
少し違って興味深かったです。
労組の右派と左派が対立しているのが理解ができなかった
右、左の違いはあっても労組の性格上、交渉するのは雇用主(会社)と労働者(社員)
なのではないのか?なんで同属の労働者どうしで対立しないといけないのか
そのあたりがピンとこなかった。
あと、利権に絡んで日本が食いもんにされていく様を読んでいると妙な正義感が
湧き出してきたりもします。
今年ははずれが多い読書ですが今年初のヒットといえるあたりではないでしょうか。

バックスクリーン三連発


2016年04月13日
  1. 下山事件 暗殺者たちの夏(04/13)